こんにちは、OTTYです。この記事は素数大富豪 Advent Calendar 2022 - Adventarの11日目の記事となっております。昨日は素数を見てみよう - 浅葱色の計算用紙でした。色で素数の分布をみるという試み面白いですね。
はじめに
先日12/4(日)に第7回はち杯にて、基本的に合成数出ししかできない素数大富豪、通称合成数大富豪の大会が行われました。人類初となるこの試みに対して「合成数大富豪なんてゲームとして成り立つの??」と疑問に思った人も多いでしょう。僕もルールが公開された当初、無理でしょと思ってました。2,3がなくて詰む姿が容易に想像がつきます。
しかし実践・考察を重ねていくうちに「なんとか上がれるかも?」というラインまで持っていけて、はち杯が楽しかったので合成数大富豪の環境考察とその魅力について語りたいと思います。
今回ははち杯でのルールに基づいたお話がメインとなります。ルールに関しては次章を見てください。
はち杯のルール
はち杯とは、はちさんが不定期に開催している大会で、回ごとに異なるルール・試合形式で不定期に開催されています。第7回となる今大会はコンセプト「合成数のみであがる試合をみんなで作る。」のもとだいたい以下のようなルールで試合が行われました。
- 基本的には合成数出ししかできない
- 素数を出すと即負け
- 最後上がるときだけは3枚以下の素数出しであがってよい
- 制限時間は20分で超えると引き分けとなる
- 大会時間内で試合できるだけ試合をするという形式で同じ相手との対戦が2戦以上行われることもある、途中参加途中退出あり
- 点数で順位が決まる
点数配分は
ということで、今回は上がるときだけ3枚以下の素数を出して良いというルールがありました。これのおかげで完全に詰むことはあまりなくなっていたようです。
それにしても合成数出し上がりの1000点を狙いたくなってしまう面白いルールですね。
ルールを詳しく知りたい方は公式の03_特殊ルール_合成数出しのみ_大会ルール概要.pdf - Google ドライブを参照してください。
対策、何を考えたか
大会前、無対策だと上がれないだろうと考え合成数大富豪を実際にやってみました。そこでは次のように感じました。
- 1分では組み切れない
- 相手も1分では組めない
- 合成数を出せても上がり切れない(特に絵札多め4枚にしてしまったケースが困る)
- 今の実力ではカマトトして引きすぎても上がりきれず長期化しそう
- 相手が3枚以下になってしまったら、こちらで手番を持ち続けないと勝てないのでピンチ
- 2,3はやはり貴重
- 必殺技みたいな大技を用いて組み切るのはまだ難しい
- 絵札が余る
- KQやKKは強い
- 合成数上がりは頑張れば行ける
実際にプレイしてみると時間切れが多かったのですが相手も同様なのであまり手番を気にせずにプレイできました。相手との対戦というよりは自分と手札の戦いになるなと感じました。
ということで、次のような戦略を立てました。
- 1人対戦で組み切れるようにする。上がれないのに相手の手を切るために手札を減らさない
- カマトトは引きすぎないようにするが、絵札が多いなどで組み切れないときは引く
- 組み切れそうな手札の時は考える。手番は回ってくるので、時間切れしても大丈夫
- 組み切れるまでは手札を減らさないようにする。特に2,3,5は取っておく
- 極力2や3を温存して6=2*3、8=2^3、9=3^2など簡単な手で上がりたい
- 2枚出し、3枚出しでちまちま組む。弱い合成数でも問題ないので組み切ることを優先
- 組み切れたら、相手のシンキングタイムを奪うために即パスを心がける
こんなことを心がけて1人でトランプを11枚広げてじっくり考えて練習しました。特に組めそうな手の時は長考しました。
それと並行して2,3枚出しを少し覚えました。大体そんなかんじではち杯に参加しました。
はち杯の感想など
とても新鮮で楽しかった。色々な合成数が見れて楽しかった。3枚以下素数で上がってよいというルールは丁度よい難易度に感じた。
対策がうまく決まったときはすごく気持ちよかったです。手札に恵まれたこともあり、想像以上に合成数上がりができてうれしかったです。ちゃっかり優勝しちゃいました。
第7回 #はち杯
— はち杯@素数大富豪 (@8cup_pQK) 2022年12月4日
OTTYさんの優勝となりました!おめでとうございます!
全46試合中18試合も合成数のみでの勝利となりました!#素数大富豪#合成数大富豪 pic.twitter.com/FCRZfOdkAg
今回は「2枚出し、3枚出しでちまちま組む」という作戦が功を奏したと思います。2枚出し、3枚出しで組むというのは小回りが利きやすく、KKやKQを中心に考えるとうまくいった試合が多かったです。特にKKは余りがちなKを消費できるという意味でも強かったですね。
僕が4枚以上出したのは9T9Tぐらいだったと思います。5,6枚とかの多めの枚数で出せたとしてもそのあと手札が絵札ばっかりになると詰むので相手の多枚数出しには即パスを心がけ、自分のペースで減らしていきました。時間切れ上等で手札が詰まないようにだけ注意しました。
対戦したのは11戦で、6勝5敗、6勝のうち5回は合成数上がりができました。
その中で特に自分的に上手に組んで勝てたと感じた試合を2試合の数譜を紹介します。他の試合の数譜については、07_第7回 - Google ドライブを見てください。「本当にこの人たち合成数ばっかり出してるよ......」ってなること間違いなしです。
vs.3TKさん戦
3TK:(37ATJXJ686T) OTTY:(8TQ94KK2JK5) 3TK:D(2)A236678TTJJX|X=0,P(A6675759Q4J4) OTTY:D(2)KKKT2458=9JQ*2,P(3XQQA7K85923) 3TK:66T66AA23445,P(8A4T93) OTTY:%% 3TK:49=7*7 OTTY:99=3*3*J 3TK:D(7)6T=5*78897T,P(733J) OTTY:KQ=4A*2^5 3TK:D(4)% OTTY:KK=TX*K|X=A 3TK:% OTTY:8Q8=Q7*2^5*2#
素数大富豪だったらよさそうな初期手札でも合成数大富豪的にはあまりよくないので合成数カマトト。
合成数カマトト後の手札が良すぎ&完全数8128であがれて最高に気持ちよかった。
数譜も美しい。カマトトしてから1枚も引かずにぴったりハマる手札すごくないですか??
vs.鼎猫さん戦
鼎猫:(4T476Q7XAQA) OTTY:(6642T7Q2Q72) 鼎猫:D(K)QQ77=T6K44*AAX|X=3,P(8TXKJ8655838) OTTY:D(J)7QT7Q=224*66J,P(JKT395K9A95) 鼎猫:D(4)%% OTTY:D(2)%% 鼎猫:D(3)887643KQTJX=887643KQTAA*5*X|X=0|X=2,P(3J9A) OTTY:%% 鼎猫:8876543AKQJT=8876543AKQJT*X*X|X=2|X=5,P() OTTY:9T9T=2*5*7*7*K^2*J 鼎猫:D(2)KJKQ=2^4*8A9457 OTTY:D(5)% 鼎猫:D(7)%% OTTY:%% 鼎猫:8883=3^3*7*47 OTTY:% 鼎猫:D(7)%% OTTY:%% 鼎猫:D(K)%% OTTY:D(2)66=J*2*3 鼎猫:D(J)AT=J*5*X|X=2 OTTY:KQ=4A*2^5 鼎猫:% OTTY:5Q=2^9#
最後Q59で上がろうとしていたがうまく2を引くことで5Q=2^9で上がれることに気づき、後半でパスを続けたら鼎猫さんがドローしてくれたので9T9Tで使った2を引くことに成功した試合。Q59から5Q=2^9にできることに思いつけたのと合成数大富豪でもカードカウントが上手く決まったのがうれしかった。今後2の位置ぐらいは把握しておきたいと感じた。合成数出しの時の順序も大切になってくるかもしれない、という示唆に富んだ一戦だった。
合成数大富豪に感じる魅力
僕が感じた合成数大富豪の面白さは次の3つです。
素数大富豪では見れない合成数がたくさん見れる
普段使わない合成数を見れるの面白かったです。
素数ではないことは知ってるけど素因数は知らない合成数の素因数を知るきっかけになりました。
それと相手も合成数しか出せないので、TKQ=2^6*1583のような素数大富豪では使ってもKKJで切られる手も切り札として活躍できる機会があるというのは興味深いですね。
合成数は素数より多いので今後よりバリエーションに富んだ合成数がみられるかもしれませんね。
オススメ合成数のメモ
ここからははち杯対策で覚えようとした合成数をただ羅列していきます。まだ覚えてないものや実践にはまだ使えていないものが多くありますが、少なくても僕が使えたら便利だと思ったものメモの公開です。ほぼ自分用の備忘録です。絵札を多く消費したい、できるだけ2^2の形をもつものは避けたいなどなど考えて抽出しましたがフィーリングです。今後はとりあえず3枚出しと重複なしの合成数を重点的に覚えていきたいし、それらを実戦に組み込んで出せるようにしたいですかね。
2枚出し
2枚出しについては全部ぱっと出てくるようにするのが良いと思います。
特にAQ=2^4*7、4K=7*59、6J=K*47、9K=J*83、JQ=2^3*K9は素数大富豪ではあんまり使わないけど合成数大富豪では重宝されそう。
3枚出し
まだ咄嗟に出てこないものも多いですが使いこなしたいです。次の主戦場は3枚出しになると勝手に思ってます。
635=5*Q7
654=2*3*T9
889=7*Q7
T48=2^3*KA
T66=2*K*4A
T8A=47*23
3TA=7*443
4K5=5*827
5T3=3^6*7
6T9=41*149
64K =J^2*53
7JA=K*547
8T7=J^2*67
86J=79*T9
8K7=79*T3
88K=7*Q59
JQ5=5^3*89
QQ8=2^5*379
Q3J=K*947
KQ2=2*3^8
K3Q=2^T*K
6KQ=2^7*479
8JQ=2^3*TK9
8QJ=K*6247
9KK=Q7*719
TKQ=2^6*1583
4枚出し
OverKJQJ以外ほぼ未開拓でした。
1859=J*K*K
3645=3^6*5
3888=2^4*3^5
656A=3^8
6859=19^3
T496=2^8*4A
AQ64=2^T*J
4T67=3^5*K^2
66Q7=89*743
J57Q=2^T*AK
J59J=3^7*53
言われれば「確かに」ってなるものは覚えておいてパッと出てくるようにしたい(けど難しい)......
4415=5*883
4435=5*887
6654=2*3*AT9
JA43=J*TK
などなど
このほかには9T9T=2*5*7^2*J^K^2みたいな1001の倍数のもの、8686=43*2*TAみたいな101の倍数は見つけやすそうで活用しました。4747=47*TAのような(素数)*TAの形のものはコスト高いですが......
5枚出し以上
全く覚えてないし探索もしてない、これが出せたらかっこいいなと思ったもののメモ。
Q888A=359^2
8837Q=2^T*863
9Q673=97^3
Q94K9=7^6*J
QJ736A=59^4
5枚以上をコンスタントに使いこなせたら楽しいだろうなぁ......